トラックのバッテリー液が減ってしまうのはなぜ?

公開日:2024/07/15   最終更新日:2024/09/03

トラックのバッテリー液が減ってしまうのは、日々の使用や気候条件、バッテリーの劣化など、さまざまな要因が考えられます。バッテリー液が不足すると、エンジンの始動や電気系統に影響を及ぼすため、定期的な点検と補充が重要です。本記事では、バッテリー液が減少する理由とその対策についてくわしく解説します。

バッテリー液の役割とは

バッテリー液とは、自動車バッテリーの内部に入っている液体のことで、おもに硫酸と精製水を混ぜ合わせた無色透明の希硫酸で構成されています。自動車の電力供給の要となる存在であり、その状態が車両の動作全体に大きく影響します。

たとえば、車両のエンジン始動、ライトの点灯、パワーウインドウやワイパーなどのモーター駆動に必要な電力を蓄えるための重要な役割を果たしているのです。バッテリー液の化学反応により、充電と放電が繰り返されることで、電力の供給が可能になります。

液中の硫酸濃度は、走行中の充電や放電の状況によって変化します。バッテリーの状態が悪く、充電が0%の状態では、硫酸濃度は0%に近く、ほとんど水と同じ状態になります。逆にバッテリーが健康で充電が100%の状態では、硫酸濃度は約37%に達します。この濃度の変化が、バッテリーの性能や寿命に大きく影響を与えるのです。

ちなみに普通車に搭載されるバッテリーの電圧は12Vが一般的ですが、トラックなどの大型車両では12Vのバッテリーを2つ直列に接続して24Vの電圧を確保しています。また、近年の電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)には、駆動用の大容量バッテリーだけではなく、補器類用として12Vのバッテリーが搭載されています。

この12Vバッテリーが放電してしまうと、エンジンの始動ができなくなるため、バッテリーの状態管理は非常に重要です。バッテリーが劣化するとさまざまなリスクが生じるので、定期的な点検とメンテナンスを行い、被害を最小限に抑えましょう。

バッテリー液が減ってしまう3つの原因

バッテリーは車にとって非常に重要な部品であり、その状態が車両の性能や寿命に大きく影響します。ここでは、バッテリー液が減る原因について解説します。

自然蒸発

バッテリー液が減るもっとも一般的な原因が「自然蒸発」です。バッテリー液には精製水や蒸留水が含まれており、これらが時間とともに蒸発することで液量が減少します。とくに、夏場の高温や直射日光が当たる環境では蒸発が進みやすくなります。車体が太陽の熱で高温になると、エンジンからの熱と相まってバッテリー液の水分が急速に蒸発することがあるため、暑い季節はとくに定期的なチェックが欠かせません。

電気分解

車両の走行時や充電時には、バッテリーの内部で電気分解が起こります。バッテリー液に含まれる希硫酸の濃度を薄めるために使われる精製水や蒸留水は純度の高い水です。しかし充電時に水が水素と酸素に分解されるため、水分が失われていきます。このプロセスはバッテリーの正常な動作の一部ですが、結果的にバッテリー液が減少する原因となります。精製水や蒸留水を使わない場合、不純物が混入しバッテリーの性能を低下させる可能性があるため、注意が必要です。

液漏れ

バッテリーは長期間の使用により経年劣化し、外部ケースに傷や損傷が生じることがあります。この場合、バッテリー液が漏れ出すリスクが高まります。このとき、漏れた希硫酸が周囲の金属部品を腐食させ、さらなるダメージを引き起こす可能性があります。バッテリーは多くの場合、車両の外部に露出した状態で設置されるため、物理的な衝撃や振動による破損のリスクも考慮しなければなりません。

バッテリー液が減ると何が起きる?

トラックの運行において重要な役割を果たすのがバッテリーですが、そのバッテリーの性能を左右するのがバッテリー液です。バッテリー液が減少すると、さまざまなリスクやトラブルが発生する可能性があります。

電力を十分に供給できなくなる

バッテリー液不足になると、バッテリーは十分な電力を蓄えられません。つまりさまざまな電装品に十分な電力を供給できなくなります。とくに、ヘッドライトやウインカーの明るさや点滅が不安定になることで、走行中の安全性が確保できず、事故のリスクが高くなるので危険です

バッテリー本体の性能が低下する

バッテリー液が少ないままの状態が続くと、バッテリーの性能そのものが低下してしまいます。通常、バッテリーの寿命は3〜5年とされていますが、バッテリー液の不足や過度な負担によってその寿命が大幅に短くなることがあります。適切な点検やメンテナンスを行わないと、バッテリーが早期に劣化し、交換が必要となる場合があります。

エンジンの発熱による火災リスク

バッテリー液が減少すると、バッテリー内の金属部品(極板など)が露出し、劣化が進みます。この劣化で電気分解が進むと、次に水素ガスが発生します。もしエンジンの発熱でこの水素ガスに引火すれば、爆発や火災を引き起こすかもしれません。最悪の場合、爆発や火災に巻き込まれた人の命が危険にさらされるでしょう。

メンテナンスコストの増加

定期的にバッテリー液の補充を行えば、かんたんなメンテナンスかつ数百円のコストで済みます。しかし、バッテリー液の減少を放置し、極板などの金属部品が劣化した場合、一度劣化した部品は補充しても元の性能には戻りません。その結果、バッテリー全体の交換が必要となり、数万円の出費を強いられることになります。

まとめ

バッテリー液の役割を正しく理解し、そのメンテナンスを適切に行うことで、車両の安全性や快適性を保つことができます。バッテリー液が減少する原因として、自然蒸発、電気分解、液漏れの3つが考えられますが、そのままにすると、電力供給の不安定さやバッテリー性能の低下、火災リスクなどが発生しやすくなり、安全運行にも大きな影響を与えるでしょう。車両を長く良好な状態で維持するためにも、バッテリー液の管理とバッテリー全体の健康状態をつねに確認しておきたいものです。

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