トラックの走行距離から見た寿命と長持ちさせるメンテナンス方法を解説
トラックの寿命は、今までの走行距離と深い関係性があります。また、トラックの寿命を長くするためには適切なメンテナンスも欠かせません。今回は、走行距離から見たトラックの平均寿命や、寿命を伸ばすためにできるメンテナンスについて詳しく解説します。買い替えのタイミングや高く売るコツも合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
走行距離から見たトラックの平均寿命
トラックの寿命は、年数よりも走行距離に大きく依存しています。普通の乗用車の場合、10万kmを超えたあたりからエンジンパーツが劣化することが多いです。一方で、トラックは積載量によって寿命を迎えるまでの走行距離が異なり、通常20万kmから70万kmの範囲で寿命が訪れます。これを年数に換算すると、トラックの寿命はおおよそ10年から20年程度とされます。
トラックが乗用車より寿命が長い理由
トラックが乗用車よりも長寿命である主な理由には、排気量が大きくエンジン負荷が少ないこと、耐久性の高いディーゼルエンジンを搭載していること、そしてエンジン構造がシンプルでメンテナンスが容易であることが挙げられます。特にディーゼルエンジンは頑丈で長距離走行に適しているため、トラックの寿命を延ばす要因です。
積載量によっても寿命が大きく変わる
積載量によってもトラックの寿命に大きな違いがあります。
例えば、大型トラックは積載量が6.5トン以上で、寿命までの平均走行距離は約70万kmです。中型トラックは2トン以上6.5トン未満で、寿命までの走行距離は約40万kmから50万km、小型トラックは2トン未満で、寿命までの走行距離は約20万kmとされています。
大型トラックは高速道路を多く走る傾向があるため、ブレーキの使用頻度やエンジンへの負担が少なく、寿命が長くなることが多いです。一方、小型トラックは市街地を中心に走行することが多く、信号での停車や低速での運転が増えます。結果としてエンジン・駆動部の負担が大きくなり、結果的に寿命が短くなることがあります。
寿命を伸ばすためにできるメンテナンス
トラックの寿命を伸ばすためには、定期的なメンテナンスが重要です。ここでは、トラックを長く使用するために必要な具体的なメンテナンス方法について説明します。
冷却水の定期点検
まず、冷却水の定期点検と交換が重要です。トラックは長距離走行中にエンジンが高温になるため、冷却水不足によるオーバーヒートのリスクが高まります。冷却水はエンジンを冷却するために循環しており、通常は減ることはありません。
しかし、長期間使用すると蒸発や水漏れにより減少することがあります。エンジンが冷えている状態でリザーブタンクを確認し、冷却水が規定量以下であれば補充が必要です。冷却水不足での走行はエンジンの過熱を引き起こし、最悪の場合、廃車に至る可能性もあるため注意が必要です。
エンジンオイルの定期交換
次に、エンジンオイルの定期交換も重要です。エンジンオイルは、エンジン内部の部品をスムーズに動かすために必要不可欠で、エンジンに負荷がかかるほど劣化が進みます。トラックは乗用車に比べて排気量が大きいので、当然必要なエンジンオイル量も多くなります。
例えば、小型トラックで約8リットル、中型トラックで約10リットル、大型トラックでは約30リットルが必要です。エンジンオイルの交換時期は、一般的には乗用車で3,000〜5,000kmごとですが、トラックの場合、2万kmから4万kmが目安です。オイルが劣化した状態で走行するとエンジンに深刻なダメージを与える可能性があるため、定期的な交換が推奨されます。
タイヤの定期点検
さらに、タイヤの定期点検と交換もトラックの寿命に影響を与えます。タイヤは車体を支え、路面との摩擦を保ちながら安全な走行を可能にする重要な部品です。タイヤが均一にすり減っていれば問題ありませんが、偏摩耗が見られる場合はトラックの操縦性に影響を与え、振動が駆動部にダメージを与えることがあります。
タイヤの溝内にあるスリップサインが露出していないかを確認し、スリップサインが出ている場合は、即座に交換が必要です。スリップサインが出ているタイヤは車検に通らないだけでなく、法的に違反となるため注意が必要です。
トラックの買い替えに適したタイミング・高く売る方法を紹介
トラックの運転中に不安を感じる場合、メンテナンスをしていても、エンジンや駆動部の劣化を完全に防ぐことはできません。そのため、ドライバーが運転中に不調を感じるようなトラックは、買い替えを検討することが重要です。最悪の事態を避けるためにも、適切なタイミングでの買い替えが推奨されます。
買い替えのタイミング
乗用車の買い替えタイミングとしては、購入から3年、5年、7年、または走行距離が5万kmに達した時期が一般的とされています。トラックの場合も、走行距離と使用年数が重要な要素ですが、買い替えのタイミングは異なります。トラックの走行距離は、短い方が買い替えに有利です。しかし、年間5万km以上走行することが多いトラックでは、短い走行距離で中古車買取に出すことは難しい場合があります。
そのため、トラックの寿命とされる走行距離に達する前に下取りに出すことが理想的です。例えば、大型トラックの場合は60万km程度、小型トラックなら10万km程度が買い替えの目安とされています。
トラックを高く売るコツ
次に、トラックを高く売るためのポイントについて解説します。買い替えをスムーズに進め、高い買取価格を得るためには、必要な書類を揃えることが大切です。具体的には、身分証明書類、車検証、自賠責保険証明書、自動車納税証明書、メンテナンスノート（保証書）、委任状、譲渡証明書、リサイクル券が必要です。
また、売却するトラックの年式、車種、修復歴や修理箇所を正確に伝えることも重要です。これにより、簡易査定額をスムーズに出してもらうことができます。
まとめ
トラックの寿命は走行距離と密接に関連しており、20万kmから70万kmが寿命の目安です。大型トラックは70万km、中型トラックは40万kmから50万km、小型トラックは20万kmとされます。寿命を延ばすためには、冷却水やエンジンオイルの定期的な点検・交換、タイヤのメンテナンスが不可欠です。運転中に不安を感じたら、早めの買い替えが推奨されます。適切なタイミングでの売却や書類の準備、清潔な状態での査定が高額査定のポイントです。
